Mayoran Rajendra Mayoran Rajendra アジア・大洋州統括部 アジアイノベーションセンター Mayoran Rajendra [2020年キャリア採用]
ビジネスとデジタル技術の双方を理解し新たなビジネスを生み出していく。そういう人材が今後、欠かせないと語る人がいる。その彼の志は、informal economyにいる多くの人々が金融にアクセスできる世界をつくり出すこと。新しいお金の流れを生み出せれば世界を揺らしていける、そう信じている。 ビジネスとデジタル技術の双方を理解し新たなビジネスを生み出していく。そういう人材が今後、欠かせないと語る人がいる。その彼の志は、informal economyにいる多くの人々が金融にアクセスできる世界をつくり出すこと。新しいお金の流れを生み出せれば世界を揺らしていける、そう信じている。

アジアイノベーションセンター、そのミッションはデジタル起点での新事業創出。 アジアイノベーションセンター、そのミッションはデジタル起点での新事業創出。

私は現在、アジア・大洋州統括部
アジアイノベーションセンター(AIC)に
所属しています。
AICのミッションは
デジタル起点での新事業創出。
シンガポールをベースにAPACのお客さまへ
新しい価値を提供する
様々な取り組みを展開しています。
その一つがエンベデッド・ファイナンス、
埋込型金融
です。
ネットショップの買い物の際、
初回にクレジットカードなどを登録しておけば、
2回目以降はあまり意識せずに決済できることも
広義ではエンベデッド・ファイナンスですが、
私たちがフォーカスしているのは
BtoB、サプライチェーンの中に
金融機能を埋め込んでいくこと。

現在、サプライチェーン、
たとえば資材や部品の発注などは、
ほとんどデータでつながっており、
発注者と供給者間でリアルタイム化しています。
一方、銀行では年に一回のBS(貸借対照表)や
PL(損益計算書)、
または四半期の決算書などで
お客さまから情報を頂戴し、
金融機能を提供するなど
従来のやり方にとどまっています。
それを変えていきたいと思っているのです。
発注者と供給者、そして銀行をつなぐシステムを
構築することで、

モノ・カネ・情報の流れを
完全にシンクロさせていくこと
を目指しています。
それにより「何を誰に対していつまでに届けるのか」
というデータを
銀行がデジタル上で
リアルタイムに把握できるため、
金融のリスクテイキングモデルが変わります。
そして、支払いサイトを待たずに
銀行が供給者に入金する
「サプライヤー・ファイナンス」や、
出荷前に供給者へお金を振り込む
「プレシップメント・ファイナンス」などの
金融機能をデジタル上で
お客さまは意識せずに利用できるようになります。
また、銀行はサプライチェーンの情報をもとに
ファイナンス、決済、FX等、
そのときのお客さまに
最適な提案が可能にもなります。
今までの銀行とは異なるあり方へ、
その進化は始まっている
のです。

Mayoran Rajendra

スピード感をもってやるのなら日本の外でやったほうがいい。そうお願いし、今、シンガポールに。 スピード感をもってやるのなら日本の外でやったほうがいい。そうお願いし、今、シンガポールに。

デジタル視点での新事業創出をミッションに
キャリア採用で
SMBCに入行する際に
私がお願いしたことがあります。
それは、「本当にスピード感をもって
実現していきたいなら、

日本の外でやらしてほしい」ということでした。
SMBCはそれを受け入れてくれ、
今、私はシンガポールにいます。
日本は様々なものが整った便利な国。
一方、インド、インドネシア、タイ、ベトナムなど、
東南アジアはこれから成長していく地域です。
インフラが整っていない、それはデジタル化へ
一足飛びにいくということ
でもあります。
実際、現地法人はもちろん、
日系のお客さまであっても
APAC地域におけるデジタル化は早い。
エンベデッド・ファイナンスサービスも
日本では例を見ないスピードで進み、
1年以内にローンチできました。
そこでは、今までの銀行のやり方ではなく、
ソフトウェアカンパニーのような
アジャイル型の開発やパートナーとの共創など、
やり方も新しいトライをしていきました。
そして、そのような挑戦を許してくれるのが
SMBC
でした。
もちろんそこでは、能動的に
自ら提案していくことは絶対条件。
でも、その挑戦していく気概と思いがあれば、
経営層と現場、
各部門などを納得させて巻き込んでいけますし、

いいと思ったらリソースをはじめ、
様々な面で応援してくれる、

そんな会社がSMBCだと思います。
自分次第ですごくいろんなことができるここで、
これからもいろんなことに
挑戦していきたいと思っています。

テクノロジーで社会課題を解決したい、それが昔から変わらない自分のテーマ。そして、今、考えていること。

私はスリランカで生まれました。
父親がエンジニアだったこともあり、
子どもの頃から機械をいじることが好きでした。
小学生の頃に車のエンジンを分解して
遊んだりしたのを今でも覚えています。
そのような私が日本に来たのは高校時代。
日本の高等専門学校の
ロボットコンテストに出場したく、留学
しました。
その後、大学は工学部でモノづくりに打ち込み、
卒業後は医療機器であるMRIの開発に従事、

そして、今は金融という分野で働いています。
モノづくりから金融へ、キャリアとして
不思議に思う方もいるかもしれませんが、
私からすれば、いかにテクノロジーを使って
社会課題を解決していくか、
という自分のテーマに沿って進んできただけです。
金融は幅広いインダストリーと関わっていく仕事。
その中で、まだまだアイデアの域を出ませんが、
例えば、インドで医療機器を販売するのではなく
画像提供サービスのプラットフォーム構想(※1)、
インドやタイでのEVの伸長に対して
コア部品を製造する日本メーカーとつながれる
デジタルプラットフォームを構想し
共にビジネス成長できる環境を
整備することを考えています。
サステナビリティという文脈では、
再生可能エネルギーの
小規模なプロジェクトに対して
ファイナンスを行える
デジタルプラットフォームづくりなど(※2)、
インダストリーごとに
様々なことに取り組もうとしています。
重要なのは未来のために、
きちんと社会実装していくことだと思います。
銀行というと融資とかそのようなイメージが
まだまだ強いと思いますが、
もっと単純で、ビジネスが発展することを支援する、
そのような存在が銀行。

もっと医療のアクセスを広げ
人々の健康に貢献できることや
informal economyにいる
多くの人々のformal economyへの
参画を促進していけることなど、
想像以上に社会へ貢献していける。
その意味で、どこよりも大きな役割を
果たさなければならない、
どこよりも面白いフィールドなんじゃないかと
私は思っています。

※1 新興国ではまだまだ高額な医療機器を購入することや融資を検討することが難しいケースが多いため、その解決を目指している。
※2 人口の増加等によりエネルギー需要が伸長し続けている東南アジア。そこに再生可能エネルギーを社会実装していくことはサステナビリティの文脈では重要だが、インドネシアやフィリピンなどは島が多く、メガソーラーなどはできず小さなソーラーファームやウインドファームが必要。その小規模のプロジェクトに対して効率的にファイナンスを提供するという課題にデジタルで解決しようと目指している。

Mayoran Rajendra

学生の皆さんに伝えたいこと、それは、この一瞬一瞬、面白いことに打ち込んでいってほしいということ。 学生の皆さんに伝えたいこと、それは、この一瞬一瞬、面白いことに打ち込んでいってほしいということ。

日本にいるときは
学生の皆さんと接することも多く、
そのときに思ったのが
「そんなに大きく構えなくてもいいのに」です。
自分の中の根底に、私だったら
「テクノロジーで社会課題を解決していく」
のような
フィロソフィーみたいなものは
重要だと思うのですが、
やりたいことが見つからないとか、
大きな社会的意義とか、

そういうふうに気負い過ぎている
学生の方が多い気がする
んです。
「やりたいことがはっきりしている人、
そんなにいないから大丈夫ですよ、
むしろ可能性は狭めないでほしいな」
と伝えたいですね。
それよりも、もっと目の前のことを
大切にしてほしい
と思います。
身近なことでも
いろいろ疑問に思うことがあるはずです。
それと向き合っていくと、いろんな出会いや
いろんな気づきが生まれるはずです。
なので、最後に皆さんへ伝えたいのは、
面白いと思うものへ
打ち込んでいってほしいということ。

私自身、その時々で面白いと思うものを
やってきたら今に至っていますし、
まさか自分が銀行員になるだなんて
考えたことはありませんでした(笑)。
自分では今も銀行員という感覚はなくて、
たまたま今ここにいますという感じで。
この瞬間、面白いと思えるものをやればいい、
打ち込めばいいかな、と考えて進んでいます。

※掲載の仕事内容、役職、所属は取材当時のものです。