



入行して15年目。振り返るといろんなことがありました。最初の法人営業部ではお客さまと直接向き合う面白さを実感するとともに、先輩のサブ担当として様々な案件に携わりました。中でも思い出深いのは製造業のお客さま。土地を有効活用し、太陽光発電事業を行いたいというものでした。当時は法人部門でそのような案件の事例がなく、審査資料作成のため、17つ上の先輩とともにパネルの発電ワット数や発電効率の仕組みなどを調べることから始めたのが強く記憶に残っています。知らないことを知っていくこと、そして前例がないことに取り組んでいくことの面白さを知りました。無事融資が実行され発電施設が竣工したときはあまりに嬉しくて、新聞に掲載された記事を切り抜き、しばらく持ち歩いていたくらいです。次に公務法人営業第二部では官公庁を担当。異動時は官公庁に対して銀行は何をやるんだろう、と思っていたくらい何も分かりませんでしたが、実際は何でもやれる。資金面はもちろん、あらゆる課題に対して、SMBCグループのリソースを組み合わせれば何でも提案できることが本当に楽しかった。たとえば環境問題であればグループ会社の三井住友ファイナンス&リースと組んで学校の屋根で太陽光発電を行えないか、観光人口が増えなければ三井住友カードと協力し、そのデータを活かして施策に活かすなど、本当にいろいろ提案した記憶があります。SMBCの東京本店東館の一階スペースを活用して県の歴史と特産品の展示会を企画したときには、銀行員ではなくイベントスタッフのように働いていました。


私の母は家庭に専念していたため、私も結婚し、出産するときには仕事を辞めると漠然と思っていました。でも、仕事ってこんなに面白いんだ!という体験を積み重ねていくうちに、少しずつ自分の気持も変わり、入行7年目、第一子を出産する頃には、自然と働き続ける選択をしていました。いい意味でSMBCでの日々により私の人生、その選択は変わっていったのです。だからと言って、復帰する不安がなかったわけではありませんが、産休・育休中も定期的に上司が面談を行ってくれるとともに、子供をベビーカーに乗せられる頃にはフランクに職場を訪問できる雰囲気をつくっていただけたこと、また、同じ職場、同じ業務に戻りたいという希望を叶えてくれたことなど、職場のサポートによりスムーズに復帰することができました。職場だけでなくSMBC全体としての支援も多々あり、子どもが生まれた共働き夫婦同士で本音で話し合えるパパママミーティングなどの機会を通して、他の人の声を聞けることもすごく役に立ったのを覚えています。復帰して2年後には第二子も出産。二回目の産休・育休を取得しましたが、その際も復帰しないという選択肢は私にはありませんでした。しかし、次のキャリアステップ、管理職へ、という際にはすごく悩みましたね。子どもの送り迎えもある、急な呼び出しもある、「そんな自分が管理職なんて・・・」と正直思っていました。そのような時、当時の上司が「管理職はこうあるべきだという形はないし、チャレンジしたい気持ちがあるならチャレンジしてみては」「家庭最優先で、できないところはみんなでカバーすればいい、それはお互いさまだから」と言ってくださり、前向きに取り組んでいこうという思いになりました。前向きに進んでいく、チャレンジしたい思いがあるなら臆せずチャレンジしていこうというカルチャーをとにかく大切にするのがやっぱりSMBCなんだな、と改めて実感したのを覚えています。


入行5年目から12年目まで官公庁を担当した後、法人営業に戻ってきたのが2022年。7年間法人営業の最前線を離れ別の仕事をしていたこともあり、審査部のトレーニーという形で取り組むことから始まり、今は法人営業部でフロント業務を担当する営業推進グループのグループ長として、部下7名のマネジメントを担っています。そこで実感するのは、世の中の企業はどんどん変わってきていること、そしてそれ以上にSMBCはどんどん進化しているということです。お客さまのお悩みに合わせて連携できるグループ会社の幅も、金融・非金融問わず広がり、たとえば人材でいえば、SMBCヒューマンキャリアとの連携を通した人材確保はもちろん、“SMBC Wevox”を活用しエンゲージメントの向上を図る提案を行ったり、環境ではCO2排出量算定・削減を“Sustana”(※)を通して支援したり、金融の枠を超えた価値提供を行えるようになっています。これは私が入行したときには考えられなかったことだと思います。だからこそ、部下にはこのような環境を活かして、自分たちが世の中を前に動かしていくんだ、もっと良い世の中をつくっていくんだ、という気持ちでどんどん挑戦していってほしいと思いますし、そのような環境をつくってあげたいと思います。そして、その前提にある大切なものは、前向きな気持ちではないかと感じています。できないかもしれない、ではなく、どんなことでも、できるように考えようよ、なんとかなるはずだ、そう思えるようなサポートをしていけたらいいなと思っています。キャリアに関して言うと、最近なんとなく思うのは、挑戦があってその先に可能性が開かれてキャリアができていくのであって、キャリアがあって、挑戦があるのでは決してないということ。私自身、これから先、どのようなキャリアを歩んでいくのかまだ考えていませんし、わかりませんが、今の部下たちとの挑戦の先にきっとまた面白いことに出会え、新しい可能性にも出会えるんじゃないかなと思っていますし、とてもワクワクしています。そして、そんなワクワク、楽しく生きているお母さんを子どもたち二人に見せることができて、その話をすることがいつかできたら、それは最高なんじゃないかとも思っているんですよね。
※SMBCグループサービスの一つで、企業とサプライチェーン全体のCO2排出量の算定から削減施策の立案・実行まで一連の業務を管理できるクラウドサービスのこと。

