―「カルチャーを語ろう」において今回は、デジタライゼーション、クオンツのコース入行3名の方に集まっていただきました。入行後どのような経験をしてきたかをメインに話していければですが、まずはコース別採用に応募しようと思ったきっかけから聞かせてください。
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花村:
大学時代は「人の興味と眼の動き」に関する研究をしていました。眼の動きからその人が何に興味を持っているかを知りたい、と思っていたんです。そして、就職を考えたときに思ったのが、銀行にはお金の動きに関する情報があり、その人の興味を探るデータがあるじゃないか、自分のやりたいことをもっと追求できるのではないか、と。そのデータはまだまだ活用しきれていないという話も伺って、やれることがたくさんあると考えたことがきっかけです。 -
松村:
私は生物系の専攻でホヤを題材に生物の発生や進化に関わる研究に取り組んでいました。私は花村さんのように自分のやりたいことが、というより、先輩内定者の方にデジタライゼーションコースのインターンシップを紹介されたことがきっかけでした。銀行は営業のイメージだったので、最初は正直合わないだろうなと思っていました。だけど、参加してみたら意外と理系の人も働ける、活躍できる場があると感じて、異分野で新しく挑戦してみたいという気持ちもあったので、応募しました。花村さんも最初からコースでの入行を考えていらっしゃいましたか? -
花村:
銀行にと思ってはいましたが、僕はあまり調べていなくて、コース別採用があるのも知らなかった(笑)。人事や行員の方に教えてもらって、コースで入った方がやりたいことできると考えた感じです。長屋さんはどうでしたか? -
長屋:
僕も大学院での研究は天文学で金融と関係ない分野。ただ、就職活動のときには、自分の力で勝負できる金融、しかも市場部門、マーケットに携わりたいという思いがありました。証券、保険と様々な企業を見ていく中で、いろいろできるという意味で銀行が一番、幅広いと感じたのですが、ネックは、幅広い代わりに部門もたくさんあるのでマーケットに携われるかがわからないということでした。その中でクオンツコースを知り、確実にマーケットに携われるなら願ったりだと思い、コース別採用にエントリーしました。
―コース別採用で入行した後はどのような部署で、どんな仕事、経験を積まれましたか?
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花村:
コース別採用だとこれからは直でその専門部署へ、という流れになると聞いてますが、僕の時は一度、法人営業部に配属されてからでした。僕の場合はむしろ営業をやりたいと思っていたのですが、みなさんは入行後、どうでしたか? -
松村:
私の場合は当初、赤坂支店に着任したのですが、1年目の10月には本部へ来たので、あまり支店経験は長くありません。ただ、早くから本部リテールIT戦略部の一員として働けたので、照会対応など基本から経験させていただき業務を学ぶことができたとは感じています。花村さんは、なぜはじめ営業をやりたいと希望されていたのですか? -
花村:
やりたいと思っていたデータ分析・利活用はゆくゆくやらせてもらえるだろうと思っていたので、その前に現場を経験したかった。それができるのが銀行のいいところだと思っていました。どのくらい経験したかったかというと、渋谷法人営業第一部に所属していた入行2年目には「担当を持って営業がしたいです」と当時の部長に直談判したくらいです。そこから100社を超える、多くのお客さまを担当させていただいて、いろんな失敗を経験しました。毎日のように上司に叱られながら営業していました。でも、その時間や経験のおかげでお客さまについてはもちろん、そもそもSMBCはどんなサービスを提供していて、お客さまからどう受け止められているのか知ることができました。これは今の業務に取り組む上でも役立っていると感じています。 -
長屋:
僕は担当を持つまではいかなかったですが、法人営業の経験ができたことは大きかったです。本部に異動する際に営業店の部長から「営業がどんなことをしているかわかってもらえたと思う。それを活かして企画をしてほしい」と言われたのですが、その時はどう活かせるのか、正直、理解できていませんでした。しかし実際、本部で働いていると、市場部門は営業と非常につながりが強く、営業が何をしているかを理解していないとできない仕事だと実感しています。お客さまからの案件を受けて、レートを返す、その作業の中で、営業が今、何を思い、何に取り組もうとしているのか、それを想像しながら取り組めるかが非常に大切だと思いますね。
―現在みなさんは本部においてそれぞれの専門分野で働かれていると思いますが、どのようなことに取り組まれているのですか?
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長屋:
僕は現在、外貨ALMグループに所属しています。ALMとは資産(Asset)と負債(Liability)の双方を一元的に総合管理(Management)することです。もっとわかりやすく言えば、負債とは調達のことであり、資産とは運用のこと。法人営業がつくっていくアセットサイドの数字に合わせて、預金とともにマーケットの動向を的確に読み取り、市場から最適な調達を行っていき、それをもとに営業に対して基準となる金利を提示していきます。1年などの長いスパンでバランスシートの計画を様々な部門と議論しながら策定しています。 -
花村:
ALMは大きなお金を動かしていると思うのですが、長屋さん個人として与えられている権限も大きいですか? -
長屋:
僕は資金繰りを担当し、2,000億円くらいの権限をいただいて海外銀行との取引など含めた資金管理を行っています。これを入社2年目から取り組ませてもらいました。ミスをしたら決済が止まってしまう責任を背負いながら自分で考えて取り組むことで、すごく成長できたなと感じています。花村さんは? -
花村:
僕はお客さまや商品の分析を通じて営業支援に取り組んだ後、現在は、ホールセール統括部や法人デジタルソリューション部とともに営業プロセスそのもののデジタル化に取り組んでいます。将来のデータの活かし方まで考えて、お客さまに商品への興味喚起を行う部分から、営業の失注管理、その後のアフターフォローなどを行えるシステムを多角的に検討しています。 -
松村:
ただデジタル化すればいい、ということではないですよね? -
花村:
そうです。お客さまのニーズを把握し、デジタル・対面をいかに効果的に組み合わせてお客さまと接していくか、従来の対面中心の営業スタイルを前提とせず考えることで、アプローチの幅が広がると考えています。デジタルという面では松村さんはどのようなことに取り組まれてきましたか? -
松村:
私はSMBCダイレクトの全画面リニューアルに関わらせていただいた後、2年目の10月からグループ会社の日本総合研究所へトレーニーとして半年間出向し、システムの開発業務も経験しました。そして、現在はSMBCダイレクトでお手続できる諸届業務の拡大や開発業務の経験を活かし安定したサービス提供をするためシステム保守案件にも携わっています。 -
花村:
松村さんに聞きたいのですが、僕の場合、データ分析して営業リストを作るにしてもシステムを作るにしても当行・当行グループの人が相手なので自由な発想でやらせてもらえているのですが、SMBCダイレクトは直にお客さまに接するものなので、注意すべきことも多いのでは? -
松村:
はい。実際に営業店とかコールセンターを通じてお声が届くので、影響力は大きいと感じています。ただ、その声、一つひとつがより良くしていくための大切なヒントだとも思っています。また、お客さまにとって日常使い勝手のよいサービスを提供するためには、UI・UXデザインの観点からサービスを変革していく必要があります。リテールIT戦略部の特徴として、デザイナーなどの専門家も所属しているので、力を合わせながら常に改善していますね。
―働く環境、特に先輩や上司の方との関係や職場の雰囲気なども聞かせてください。
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長屋:
金融業界は体育会系で、「ついて来い、見て盗め」みたいなイメージを学生時代は持っていたのですが、実際はすごく温かいなと。何もわからない状態から業務を覚えていく中で、しっかりと教えてくれる先輩が多い。それで成長につなげていけるので、割と優しい環境にいるなとは感じていますね。松村さんはどうですか? -
松村:
私は情熱を持って仕事に取り組んでいる方が多いと感じています。どうすればお客さまが使いやすいか、そこが差別化になるので、想いを持って注力している方が多いなと。 -
花村:
グループのメンバーに特徴ってありますか? -
松村:
銀行って男社会かと思っていましたが、私の所属チーム17名の半数以上が女性で、グループ長も女性です。女性もメリハリつけて働きやすい環境だなとは感じています。 -
花村:
働きやすいと言えば、柔軟に取り組ませてもらえる、成果のための環境を最大限用意してもらえることも大きいと思っています。先程も少し話しましたが、僕は現在、ホールセール部門のプロジェクトに取り組んでいます。そこで、データマネジメント部のフロアにも席を残しながら、法人デジタルソリューション部にも席を用意していただいて、半常駐の形で取り組ませてもらっています。 -
長屋:
そうなんですね。中に入り込まないとわからないこともありますし、ともに進めていくという意味でコミュニケーションも変わってくると思うので、その取り組みはいいですね。 -
花村:
「やるならしっかりやってこい」と後押ししてもらい、部署の垣根を超えて成果を出すために最適な環境を用意していただけるので、すごくありがたいなと感じてますね。
―コース別採用で入行し、それぞれの専門分野で働く先輩として、最後に学生のみなさんにメッセージをお願いします。
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花村:
それでは、僕から。働いて感じたのは想像以上に豊富なデータがあるということ。データ分析に興味があって、ここにしかない特別なデータを触ってみたいという方には、すごくおすすめできる就職先がSMBCだと思います。これから開拓していく領域なので、これという正解がないのも面白い。各部署へのドアノック、「こういうこと一緒にやってみませんか」と入っていく社内営業から自由にやらせてもらっているので、アイデアがある人はすごく楽しめる環境だと思っています。 -
松村:
私は人の魅力をすごく感じています。情熱を持って、みんなで一致団結して取り組んでいく、助け合って乗り越えていく、みんなで頑張って成し遂げたいと思う人にはいい環境だと思いますね。あとこれからはコース別採用で、直に専門部署に配属みたいな流れもあると話が出ましたが、そのときでも心配しないでほしいです。良いサービスを創るには現場のリアルとか声が大事ですが、実際に営業部の方とコミュニケーションをとる機会も多いので、それを活かしてもらえれば大丈夫です。 -
長屋:
最後に僕がお伝えしたいのは成長です。2年目から権限を与えていただいたという話をしましたが、3年目ぐらいからはSMBCの資金繰り企画担当者を任せてもらえている。自分で考えて分析したり、他部署とコミュニケーションをとったりする中で、成長できているという実感があるので、早いうちから様々な経験ができて、成長していけるということをみなさんにお伝えしたいです。花村さん、松村さん、今日はありがとうございました。 -
花村・松村:
こちらこそ。ありがとうございました。
―今回は「カルチャーを語ろう」という中でも、フロントを担うからこそ感じることをテーマにしていきます。法人とリテール、フィールドは違いますが、直にお客さまの声を聞く機会も多いのかなと思い、まずはその辺りからお話を聞かせてください。
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東山:
私は法人のお客さまを担当していますが、よく言われるのが、「SMBCってめちゃくちゃ早いですね」と。依頼事項はもちろん、細かい要望でも1秒でも早く回答するのを心がける空気があるので、実践していた結果、そう言われることが多くなった。 -
石田:
私もスピードというのはありますね。それは、体制面でも実感しています。SMBCは従来の銀行のあり方にとらわれず、お客さまの多様なニーズをいち早く感じ取り、デジタル化や非金融サービス等、他行に先駆けて積極的に取り組んでいます。非金融面では、人生100年時代で多様化するお客さまの要望に応えるべく、「SMBCエルダープログラム」を導入。これは、お金のことはもちろん、健康や介護、病気にまつわることや老後を楽しむための一生涯のサポート、次世代へのサポートができるサービスです。当サービスを通して、実際にお客さまからは、「お金の相談だけでなく、小さな悩みも一緒に解決してくれて安心できました」や「銀行がここまでサポートしてくれて嬉しいです」との声もいただいています。 -
東山:
それは、法人のお客さまでも同じです。直近の事例でいうとお客さまがベトナムにBtoCで進出したいというニーズを持っていました。外部ソリューションではありますがインフルエンサーマーケティングの戦略がいいのではとお取引先の企業を紹介させていただいたのですが、まさに私も「銀行じゃないね」と言われました。今では、ソリューションパートナーシップの話になっています。 -
石田:
法人でも金融にこだわらずやってらっしゃるのですか? -
東山:
今では仕事の8、9割くらいがそうかもしれない。 -
石田:
法人でもそうなんですね!コンサルティングを重視するようになっていて、入行前に考えていた銀行とは全然違うんだなと体感しています。 -
東山:
新しく挑戦していくSMBCの文化が金融にこだわらない動きを先導してるし、お客さまもそう感じていらっしゃることが増えていますね。
―「スピード」や「金融にこだわらない動き」という話が出ましたが、他に感じるSMBCのカルチャーはありますか?
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石田:
ウェルスマネジメントバンカーである私個人として仕事をする中で感じるのは、受け身ではなく「仕掛ける」カルチャーがあることです。案件が起きてから相談してもらうのでは遅い。これは、私が担当する大企業のオーナーのみなさまには各金融機関の担当者がいて競合している影響もあるかもしれませんが。 -
東山:
確かに、受動対応でなく前向きにというのは法人のフィールドでも同じです。そしてその中で思うのが、お客さまのことを真剣に考えること、ためになると思ったら労を惜しまず対応すること、そういうcustomer firstの文化がSMBCにはあるなということ。 -
石田:
お客さまのために。本当にcustomer firstの意識は強いですよね。 -
東山:
たとえば、この前、700物件もマンションの部屋を有していたお客さまがいました。資金調達のご相談だったのですが、そのためには700物件一つひとつを評価しなければならず、非常に骨の折れる作業が伴います。正直、他行ではやらない案件だと思いますが、私たちはそのお客さまの思いに応えるため取り組んでいきました。すごい時間がかかる肉体労働なのですが(笑)。自らのチームメンバーはもちろん、SMBC内の様々な方が協力してくれて実現できました。お客さまのためなら努力を惜しまない、それがSMBCだと思いますし、そんな文化が私は好きですね。 -
石田:
はい。私もです。金融業界もデジタル化が進んでいますが、まだまだ「人」だからこそできることは山ほどあると感じています。特に、人と人との信頼関係は変わらないものですし、「石田さんだから相談できた」と言ってくださるお客さまもいらっしゃいます。SMBCのメンバーは金融のプロとしてお客さまの未来や大切なご家族に寄り添い、お客さまに信頼していただける人生のパートナーとして選ばれる存在になれるよう業務に取り組んでいます。
―お客さまのためか、お客さまに応えられているのか、それを大事にしていく中で感じることはありますか?
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石田:
これがお客さまにとって最善の利益かを追求する文化があると感じています。今、私たちが行っていることが何十年後もそのお客さまのためになっているのか、お客さまにとっての最善は何なのか、「お客さまのため」を考え、行動する上司や仲間が多いと感じています。それがぶれると、「それって本当にお客さまのためになるの?」と先輩や上司から鋭い声もいただきます。 -
東山:
みんな一社一社想いを込めてやっています。面白い話があるのですが、歯磨き粉メーカーを担当していた先輩の話です。正直、数字だけでは厳しい面もあった融資の社内決裁を通すときに、歯磨き粉を持っていって、審査部の担当者に実際に歯を磨いてもらっていました(笑)。この商品の価値を伝えたいという強い想いがこのような行動につながったのだと思います。実際に決裁が通り、この商品、この企業を応援したいと担当者が信念を持って行動することが大事なんだと学んだ出来事でした。 -
石田:
人を動かすってそういうことですよね。私の男性の後輩も、お客さまが華道の先生だったので、女性に囲まれながら自ら華道を習いにいったり、花言葉を一生懸命覚えたりしていました。 -
東山:
そのように取り組んでいくと、自分の引き出しも多くなっていくよね? -
石田:
はい。その後輩も、やっていくうちに楽しくなったようです。新しい自分の発見にもつながりますよね。無形商材を扱う私たちにとって一番大切な資本は私たち行員一人ひとり、「人」そのものであり、お客さまに選ばれる存在になるためには「人間力」が求められていると感じています。昔から「人の三井」、「事業は人なり」というようにSMBCの人は個性的で魅力的な人が多いです。それぞれがお客さま一人ひとりと真剣に向き合い、好奇心を持って取り組んだ結果だと感じています。
―東山さんも石田さんも異動の経験をお持ちですが、担当地域によってお客さまは大きく変わるものでしょうか?
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東山:
地域によって違いますよね。私は最初の配属が大阪の南の方で、中小のオーナー企業などを担当していました。大阪という地域柄もあり、ふらっと寄って話をすることができるようなアットホームな感じでした。そこから新宿に異動したのですが、担当したのが年商100億円以上の上場企業、組織や体制も構築されていますし、まるで別世界のようで。場所が変わるとこんなにも景色が変わるんだ、というのは驚きでした。 -
石田:
私は現在の中野が2カ店目で、以前は葛西エリアに。葛西エリアは東日本一の地権者マーケットと言われており、不動産賃貸業をされている方が多くいらっしゃるマーケットです。地方銀行や信用金庫とお取引されている方が多く、メガバンクの担当が来てくれたという感じですごくウェルカムな空気の中、仕事に取り組んでいました。一方現在、所属する中野は他行が強くて真逆の反応。最初は打ちのめされました。 -
東山:
そんなに中野エリアは厳しいんですね? -
石田:
そうです、証券会社各社、信託銀行、メガバンクも揃っているので。でも、それで思うのは場所によってお客さまのマーケットも特性も違ってゼロからのチャレンジなので、異動が楽しいなということです。葛西から中野に来て、自分ができていると思ってたことができていなかったと気づかされ、でも、それが楽しくて。チャレンジしていくのは面白いですから。 -
東山:
そうですね。私も新宿の次に現在の船橋ですが、ここはまた違うんです。担当のお客さまがカジュアルな社風の企業が多いため、CFOがラフな格好で出ていらっしゃる場合もあります。今日は撮影もあるというので、かっちりして来ちゃいましたが、この格好でそのお客さまのところに行ったら、「どうしたんですか?冠婚葬祭ですか?」と言われてしまうでしょうね(笑)。 -
石田:
同じ営業でも場所が変われば、新しい会社に入社したみたいな感覚ですね。転職してないけど、転職したような気持ちになって新鮮です。
―最後にお二人のこれからのキャリアや取り組んでいきたいことを聞かせてください。
-
東山:
石田さんが所属する中野の近く、荻窪支店では若い女性が支店長になっていませんでしたか? -
石田:
はい、2010年入行の女性が支店長です。ちなみに私が所属する中野も副支店長、グループ長が女性です。人事制度に“Be a challenger”を掲げ、チャレンジする人を後押しするのがSMBCだと感じています。 -
東山:
男性女性、年齢問わず実力面を見て、登用していく流れは強いですよね。石田さんもこれからはマネジメントの方にと考えていますか? -
石田:
はい。担当として培ってきたものを伝播していく役割、組織に働きかけるマネジメントを担っていきたいと思っています。コンサルティングやソリューションが重要だからこそ、個の力を伸ばすことに貢献したいなと考えています。東山さんは? -
東山:
私が興味を持っているのは外国人のマネジメント。以前、グローバルバンカープログラムというSMBCグループの海外スタッフ35名と日本人のスタッフ55名で英語しか話してはいけない一週間の研修を受けたことがあり、それが面白くて。おそらく育った国や文化の影響だと思いますが、外国人の方の中には、開始時間に来ないこともしばしばですし、ランチの時間になれば講義中でも席を立って出ていくこともあります(笑)。そういう方たちをどうマネジメントして、どう付加価値を出していくかということに取り組んでみたいな、とそのとき思ったんです。あと、もう一つ取り組みたいのは、SMBCの印象を変えていくこと。SMBCはやっぱり銀行だと思われているんですよね。草の根かもしれませんが、それを変えていきたい。昨日も一切、銀行の本業について話さずに営業をしていたら、「あれ?銀行ですよね?」と言われて。でも、SMBCはソリューションプロバイダーだと思われていれば、そういうことを言われないと思うんです。 -
石田:
いいですね。単に預金業務をする、融資をするというだけでなく、お客さまが本当に困っていることや課題と感じている潜在ニーズに対してグループ全体でソリューションを提供していくSMBCだからこそできることですよね。そういう話をグループ長自ら言ってくださると、担当者も良い刺激になります。「次はどんなことを提供してくれるんだろう」とお客さまに楽しみにしてもらえる存在であり続けたいですね。そこを大切にしてくれる方が上にいるとお客さまの接し方がまったく変わってくると思います。東山さんの話を聞いて、私もそういうグループ長になりたい、と思いました。 -
東山:
ありがとうございます。法人と個人、フィールドは違いますけど、銀行でなくソリューションプロバイダー、SMBCがそうお客さまから認識していただけるようお互いがんばっていきましょう。 -
石田:
はい。東山さんの話を聞いて、私もさらに頑張ろうと力をいただいた気がします。こちらこそありがとうございました。
―お二人初対面ですので、今回、話していただくにあたり、事前にアンケートを記入いただきました。そこで面白かったのが、お二人ともワーキングマザーにも関わらず、女性の働き方とか、そういうことを書かれていなかった。SMBCで働いている一人の「人」という視点で書かれていた、それが面白いな、と思いました。ただ今回が「カルチャーを語ろう」の中でも女性の働き方に焦点を当てていこうと思っていたので、それはどうしようかなとも思ったんですが(笑)。
-
林:
すいません、女性だからというのがないんですよね(笑)。 -
立石:
そうなんですよ(笑)。女性という括りに限らずすごく個性的な人が多くて、「一人ひとり」という感じで、それがすごく働きやすいし、本当の意味でダイバーシティかなと思っています。ただ、そうは言っても、学生さんの中には女性の働き方に関心を持っておられる方も多いと思うので、少し話しましょうか。
―知りたいという方も多いと思いますので、女性の働き方の中でも、お二人ともワーキングマザーという観点で少しお話しいただければと思います。
-
立石:
ワーキングマザーということで言えば、加速度的に働きやすくなっている感じがあるよね? -
林:
はい。銀行なのでセキュリティの問題があり、ワーキングマザーの先輩方から以前、「在宅勤務用のPCが使いづらいんだよね」という話を聞いていましたが、それもすごく整備されて。私はコロナ禍で出産をしたのですが、環境面で不都合はありませんでした。 -
立石:
確かに昔は使いづらかった。私が2017年に育休から復帰したときは、「何だ、これ」という感じで(笑)。でも、使いづらいって言ったら、すごい早さで変わっていった。 -
林:
言えば対応してくれる、行員の声を聞いてくれる、大きい組織でもスピード感があるのはSMBCらしいですよね。 -
立石:
そう。あと、パフォーマンスを出していれば、働き方の違いに文句を言う人はいない。ワーキングマザーって括られることもありますが、ただ仕事をしている一人の人間、それだけですし、周りもそういう風に見てくれて変な忖度をされないのがSMBCのいいところかな、と私は思います。
―立石さんはグループ長として、役職にも就かれています。その中での難しさなどはありますか?
-
立石:
遅い時間にメールするのは、部下にプレッシャーを与えないように控えるようにしています。でも、もう一つこなしたい、これは今日対応しておきたいと思うと、どうしても子どもの面倒を見た後になるので、夜遅くなってしまう。 -
林:
しょうがないですよね。でも、それも一つの働き方なんだ、と周りの方も思ってくれませんか? -
立石:
そうなんです。若い部下は、「子どもができると夕方は子どものために、仕事の時間はその後になど、アクティブな時間帯が異なる働き方になるんですね、立石さん見ていて気づかされました」なんて言ってくれます。 -
林:
働き方という意味で言えば、定時に囚われていないので、異分子ですもんね。 -
立石:
そうそう。でも、その異分子がいることはいいことかな、と、そこから生まれる変化があるな、と最近では思っている。多様性を認め合うという意味でも。 -
林:
そうですね。私も子どもの迎えは夫とお互い調整していて、迎えに行くときは定時に帰りますが、それ以外は働いていたりします。日によるので、上司も、今日は帰ったんだなとか、今日は夜遅くまでやっているなとか、恐らくそのくらいの感覚で特段「こういう働き方をして欲しい」といった指摘や要望を受けることもないですね。 -
立石:
そういう意味では、SMBCは文化としてパフォーマンスをどう出すかに明確なモノサシがあるから、働き方は自分のスタイルに合わせていけてやりやすいなと。 -
林:
自立した個性あふれる人が集まっている、そんな場所ですよねSMBCは。
―個を尊重することは、個の力を信じていることにもつながると思うのですが、働く中で感じることはありますか?
-
立石:
これSMBCあるあるだと思うんだけど、打合せにSMBCが1人で臨んでいったら他行は3人で来てた、みたいなことない? -
林:
あるあるです。就職活動のときから実感していて。その頃から不動産関連の業務に興味があったのですが、とある銀行さんは一つの案件に対して10人ぐらいでやっていますと言っていた。そこで、SMBCの方に「このような案件は何人くらいでやるのですか?」と聞いたら、「2人ですね」って。おー、5分の1か、と。 -
立石:
そう。人数もそうだし、それに年次が若い。2年目の頃1人で出かけた債権者集会、周りはおじさんばっかりだった(笑)。 -
林:
一人ひとりに対する期待値が高いんでしょうね。 -
立石:
だから、裁量は大きいけど、負荷も高い。 -
林:
「若手だからできない」ではなく「若手でもできる」と、年次にとらわれないのがSMBCらしさかなと思います。 -
立石:
常にその人のキャパをちょっと超えた仕事を与えられ続けて(笑)。でも、だからこそ、成長できたという実感もある。 -
林:
もちろん辛いこともたくさんありますけど(笑)。 -
立石:
最近思うのは、辛いのは壁を乗り越えようとしている証なんじゃないかなということ。成長していく、って嬉しいことだし、世界も広がっていって楽しい。でも、それが自然と降ってくるわけではなくて、自分でつかんでいくしかない。そのつかむための環境を与えてくれてたんだな、と振り返ると感じます。 -
林:その通りですね。
―そろそろ対談も終盤となってきましたが、最後、SMBCについて学生に伝えておきたいことなどをお願いします。
-
林:
面倒見が良くて、熱くて、という「人」のアピールはみんながすると思うので、私は違う観点から。SMBCはいろんな部署に行けるのがいいところかなと思っています。 -
立石:
どういうこと? -
林:
他行では、コーポレートならそのセクション内での異動が基本で、コーポレートからリテールとか、そのようなセクションを跨ぐ異動はあまりないらしいということを聞いたことがあります。対してSMBCはリテールとかプロダクツに行きたい、やってみたいと思ったら自由に挑戦できる。 -
立石:
確かに、やりたいと言ったらやらせてもらえるよね。熱意があって、努力していたら希望は叶えてくれる。その機会や方法がたくさんある。 -
林:
私自身、入行のときから不動産関連業務をやりたいと言っていて、その部署に行かせてもらえました。周りを見ても、海外志望で若いうちに行かせてもらえている人はたくさんいますね。当然、全員が希望を叶えられるわけではないですけど、叶えられている人の割合が高いな、と。 -
立石:
そうだね。こういうこと頑張ってるのに、やらせてもらえない、という話はあまり聞かない。かけられる負荷は大きいけど、でもそれを受け止めて、乗り越えたら何でもやらせてくれる感じはあるね。 -
林:
そうなんです。やるべきことに取り組んでいれば、最後はやらせてもらえる、任せてもらえると思う。それが、SMBCだと。 -
立石:
なんだか、取り留めのない話をしてきた気もするけど、最後はちゃんと締められた気がするね(笑)。 -
林:
はい、締まりました(笑)。 -
立石:
今日はありがとう。話せて楽しかったです。 -
林:
こちらこそ、ありがとうございます。
―お二人に集まっていただき、「カルチャーを語ろう」というテーマを若手の立場から語っていただきたいと考えています。学生のみなさんに近い立場だからこそ、伝えられることがあるのではと思いますが、まずは、入行した頃のことを振り返ってお話をお願いいたします。
-
パルマ:
私は学生時代、あまり先輩社員とOB・OG訪問を行っていなかったのですが、なんとなく熱い方、思いを持っている方が多いなというイメージは持っていました。その印象は入行してからもギャップはありませんでした。 -
栗原:
実際、熱い人って多いですよね。それを実感したエピソードはありますか? -
パルマ:
1年目の10月に法人営業に着任して2ヶ月後に4社担当させていただいたときです。そのときに部長に言われたのが、「担当を持つには早いかもしれないけど、やることによって覚えることもある。だからやってみよう。カバーするから思いきりやりたいことやっていい」と熱く語っていただいて。最初は不安もありましたが、実際にどんなときも親身に相談に乗って助けてくださるので、少しずつ自信もついていき、すごく成長できたなと、振り返ると思います。私の成長を考えてくれて、安心感の中で挑戦できた、そのことにすごく感謝しています。 -
栗原:
僕も配属されて3ヶ月で担当を任せていただきました。規模の小さいお客さまが多かったこともあったのですが、いきなり150社ぐらい。研修は座学なので、知識としてはわかっているのですが、実際に取り組むとなったら戸惑うこともありました。ただ、僕も当時の部長に、「とりあえず行ってこい。失敗する、成功する、それを肌で学ぶことが大事。フォローはするから」と言われ、手探りで取り組んだ記憶があります。強く覚えているのは、部長、グループ長だけでなく、10年目の先輩が自分の担当でもないのにサポートやフォローをしてくれ、それに何度も助けられたことです。その経験は僕にとって大きかった。今でもわからなくてもやってみよう、と思えるのは、おそらくこのような原体験があるからだと思います。 -
パルマ:
本当に先輩には助けられますよね。私も部長以外にも、5年目の先輩が週一回、勉強会を開いてくれたのが大きかったです。いきなり担当を持つというのは、自分にとってすごい挑戦だったのですが、そのための環境は丁寧に整えていただいたと感じています。
―育てようという思いは、温かさとともに、厳しさもついてくると思うのですが、そのあたりで経験したことなどを聞かせてください。
-
栗原:
一番、覚えているのは入社3年目で法人営業部に異動したときです。できていないことに対して、一つひとつ、なぜできていなかったかを問われ続けました。当然、できていなかった自分が悪いのはひしひしと感じていたので、きちんと反省していくしかない。でも、その反省を超えてできるようになったときは、きちんと見て褒めてくれ、喜んでくれます。「栗原、それできるようになったんだ」と。その方にはすごく叱られたけど、同じくらい褒められて嬉しかったです。 -
パルマ:
私も同じようなことがありますが、あまり厳しさという風に感じなくて。自分の性格かもしれませんが(笑)。 -
栗原:
そうなんですね(笑)。 -
パルマ:
それぞれの個性を見てくれて、言ってくれると感じているのも大きいかもしれません。人はそれぞれ得意なところが違うと思うのですが、それを踏まえて言ってくれるので、厳しさというか、アドバイスと私は捉えています。 -
栗原:
そうですね。個性は尊重してくれます。その上で、そこはできているから、ここをもっと伸ばしていこう。ここは足りないから、こう直したらいい、としっかり明言してくれますね。
―SMBCは同期のつながりが強いと聞くこともありますが、同期との関係はいかがですか?
-
パルマ:
先輩からはよく同期のつながりは強いと聞きます。私はコロナ禍での入行だったため集合研修がなく、他部にいる同期とのつながりがさほど強くないのですが、栗原さんはいかがですか? -
栗原:
すごく強いです。コロナ前とかは毎週会ってたし、土日遊んだり、一緒に旅行へ行ったりしたこともありました。 -
パルマ:
そうなんですね。私は同じ法人営業部に配属された同期とは、つながりがすごく強い、むしろ強すぎるのですが(笑)、それ以外はそうでもなくて。 -
栗原:
6年目になって思うのは、同期との横のつながりって仕事でも大切だということ。この年次になると、同期はいろんな部署や地域に散らばっているので、この関係は財産だなと思うことがすごくあります。 -
パルマ:
どういうことですか? -
栗原:
本部に照会するときでも、探せば同期がいるし、ビジネスマッチングでも同期の担当しているお客さまはやはりつながりやすいと思います。同期がいて、ソフトな感じから相談できるのが大きいのかなと。コロナの影響でパルマさんの代は難しかったと思いますが・・・、でもその分、同じ部店みたいな近いところの関係性は深くなっているみたいなので、そこから広げていけるといいよね。 -
パルマ:
そうですね。つながりを広げたい、深めたいという気持ちは強いので、自分の環境を逆手にとって、同期だけでなくいろんなつながりを築いていけたらと、栗原さんの話を聞いて、一層思いました。
―他業界や同業他社で働いている大学時代の友人などと話す機会もあると思います。数年、働いたからこそ感じる違いなどを聞かせてください。
-
パルマ:
私、すごく成長しているといつも実感してますね(笑)。全業界を幅広く知ることができるし、学ぶことが多い。他業界に勤めている友人はその分野に関しての知識は身につけられますが、私の場合はいくらでも身につけられる知識のフィールドが広がっている。それはすごく良かったなぁ。 -
栗原:
僕も大学時代のゼミの同期がベンチャーやメーカーに行っているのですが、みんなとその業界や企業の動向、ビジネス環境についてわかった上で会話できるというのはいいですよね。「その業界、こういう感じですよね」と特定業界で勤める友人に限らず誰とでも話せるのは、この仕事だからこそという気がします。 -
パルマ:
あと経営層との接点があるというのも大きくないですか?しかも、SMBCは若手から任せる文化があるので、自ら一人で向き合っていく経験値は計り知れないなと。 -
栗原:
そう。社長に対してひるまないように知識を磨いていくと、いつの間にか成長していて。SMBCの中にいるとみんな同じような経験を積んでいるので気づかないのですが、他社や他業界で働く同級生と話してみると、「自分、すごく成長しているな」と思います。
―ご自身の経験などいろいろなお話をしていただきましたが、最後にこれだけは伝えておきたいと思うことはありますか?
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パルマ:
あります!私、銀行に就職すると決めたときに、周りの友人みんなに「合わないと思うよ」と言われて。おそらく周りの友人は銀行に固いイメージを持っていたのだと思います。一方、これやりたい、あれやりたい、と私は好奇心が強いので、それで合わないよと言われたのだと。でも、実際にこうして働いてみて実感するのは、お客さまの悩みに提案できないものがほぼないということ。人材、DX、サステナ・・・、やりたいと思ったら、熱い思いで自分が頑張れば、何でも提案できる。何にでもなれると感じています。あれもこれもいろんな挑戦ができる環境があるのは、本当にいいことだと思いますし、自分にぴったりでした。 -
栗原:
僕は就職活動をしているときの軸が、常に自分で成長できる環境に身を置きたいということでした。SMBCはそれが成し遂げられるフィールドであることは間違いありません。6年目の今でも、できない自分と向き合う毎日。苦しいことも確かにあるけど、何とかできるようになっていくのを実感する日々を送っています。自分を大きく成長させたい、と思う人はSMBCに、と。これは声を大にして伝えたいと思います。 -
パルマ:
苦しいは、成長の裏返しですね。 -
栗原:
実際、そうだと思います。自分を振り返っても。背伸びしないとできることが増えないですからね。 -
パルマ:
本日はこうして話せていろいろ気づきもありました。ありがとうございました。これから何かあったらソフトに相談してもいいですか? -
栗原:
もちろんです。
―銀行から証券へ出向されている平田さん、逆に証券から銀行へと出向されている大石さん、お二人に語り合っていただきます。SMBCグループでは、銀行・証券、相互での出向者も増えており、その背景には銀証連携を強化していこうという考えがあると思います。まずはいきなりですが、率直に、出向経験はご自身にとって良かったかどうか、そんなところからお話をお願いできますか。
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平田:
これって、正直に言っても構わないんですかね(笑)。 -
大石:
大丈夫だと思いますよ。隠してもしょうがないと思うので。 -
平田:
銀行に入行した人は私のように、証券会社というと銀行とは違ったイメージを持っているかもしれません。お客さまに損をさせるのも避けたいし、そこに対するプレッシャーもあります。出向当初は本当にきつかったし、苦しかったというのが本音。それが今は日興で仕事する方が楽しいと思って、次のキャリアも日興で、と希望しています。経験することで180°考えが変わったんです。 -
大石:
どうして変わったんですか? -
平田:
自分なりのスタイルが確立できたというのも大きかったのですが、その結果、お客さまに「ありがとう」と言ってもらえることが多くなって。銀行だと限られたプロダクトしかご提案できず、それ以上は難しいのが実際なんです。その点、証券だと銀行では扱えない株式など商品が多く、かゆいところに手が届く提案ができる。コンサルティングという面では証券の方がお客さまの要望に応えられると気づいた頃から、楽しくなってきました。大石さんは、証券から銀行と逆の歩みですが、どう感じましたか? -
大石:
最初は、今ほど人材のグループ間異動も活発ではなかったので、僕もなぜ出向なのかと思いました(笑)。自分がSMBCに出向したのは2021年。日興からの出向者10名での部の立ち上げ時でした。その後、連携は進み、今は50名ほどの部になっていますが、その時は何もなかったですし、なんで自分がという想いも確かにありました。でも、その後は、銀行でできないことを証券ならできるという平田さんとは逆で、証券でできないことが銀行でできる、と感じ、今では銀行の文化は自分には合ってるなと、思っています。 -
平田:
どのようなところで、そう思いますか? -
大石:
お客さまは証券会社では資産運用のご相談が大半ですが、銀行では様々なご相談をされます。
私が日興で営業していた時は、運用相談が中心のため、自社で完結でき、グループ会社との連携は少なかったです。対してSMBCの場合、運用に限らず、お客さまの様々なご相談をもとに、お客さまのニーズに合わせて、グループ会社の持つ商品・サービスの中で何が一番いいかという観点から考えて、ポートフォリオを作っていくことができるので、それは銀行の強みだと思いますね。
―今、大石さんからグループ全体でポートフォリオをつくれるという話が出ましたが、具体的にはどのようなことでしょうか。
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大石:
2023年現在、世界的な金利上昇が起こっており、お客さまの債券に対するニーズは私が経験した中でも一番高まっていると感じています。SMBCで既に運用いただいている方からも債券運用のニーズがあれば、より幅広い商品提案のため日興を紹介しています。日興には銀行よりも高度なポートフォリオ分析ツール等、運用に特化したツールも備わっているため、お客さまの満足度も高いと感じています。また、事業承継や不動産購入を考えているニーズがあれば、SMBC信託銀行を紹介することもできます。各グループ会社の一番の強みをとって、お客さまに何が最善なのかを構築できるのはSMBCの強みということですね。 -
平田:
今、銀行が証券を紹介する、信託を紹介する中で、お客さまにとって最善をという話が出ましたが、証券でも銀行はもちろんですが、信託を紹介するということもできるんですけどね… -
大石:
まだ、それは根付いてないですよね。今後の課題の一つだと思います。 -
平田:
今は日興証券でグループ連携の推進を図っていく部署にいるんですが、全国的に見れば信託との連携も増えてきていると思います。ただ、上場企業のオーナーや創業家を中心とした超富裕層のお客さまを担当する部署のプライベートバンク(PB)からが多いとは感じますが、営業店からの紹介はあまりないですね。 -
大石:
今後日興でさらに根付いてきたらすごい武器になりますよね。 -
平田:
証券も現在、証券だけというよりは銀行などを紹介して遺言信託などもやる、ソリューションを提供するというように変わってきていると思います。その動きを推進し、連携の一翼を担う者としてグループ連携に貢献することができればと思っています。 -
大石:
思うのが、銀証連携とか、グループ連携とかって、銀行とか証券とか、自分たち自身を主語にするのではなく、本当の意味でお客さまを主語にするための挑戦なのではないか、と。だからこそ、平田さんの役割とか取組ってすごい大切なことだと思いますし、がんばってほしいです。
―少し話を変えて、銀行と証券では文化という面でも、大きく違うということがよく言われます。実際に体験されて、どう感じていますか?
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大石:
実は、銀行に出向して自分が一番驚いたのは、銀行のプロファイリング能力の高さなんです。 -
平田:
銀行だと基礎みたいなところなんですけどね(笑)。 -
大石:
これ、証券の人は銀行に出向しないと分からないことだと思います。どうしても証券は資産運用のご相談が大半なので、金融資産以外のところが疎くなります。対して銀行は、運用のみならず、不動産や家族構成など、幅広くプロファイリングするという文化が根づいている。このスキルを証券会社の人も身に付ければ、さらにいろいろ広がるんじゃないかと思っています。 -
平田:
これは私自身の経験でもあるのですが、日興に出向してもこのプロファイリングのやり方は貫いたんです。 -
大石:
どうでしたか? -
平田:
雑談をしながらプロファイリングをして、その人が気づいていないニーズを引き出してとやっていたら、幅も広がるし、何よりも「証券にいないタイプだね」って、珍しく思ってくれたのか、お話をしてくださるお客さまが多くなりました。ただ、証券に行ったことで、自分でやりあげる、という強さを学んだことも私にとっては大きかったですが。 -
大石:
確かに、証券のほうが自分でやり上げるという意識は強いかもしれませんね(笑)。 -
平田:
銀行だけで比較すると、メガバンク3行の中でSMBCは少数精鋭と言われます。ただ実感値として、やりあげる強さというのは、日興の方があると私は思います。こだわりもスピードも。銀行はチームなのですが、その中でも、個がもっと強くなれば、より良くなると思うので、やりあげる強さを日興で学べたことは大きな財産です。
―いろいろな観点からお話をお聞かせいただきましたが、最後にこれを読む皆さんにメッセージをお願いします。
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平田:
私は、もともとCAになりたいと思っていたんです。それは、ありがとうって私自身に言ってもらえる仕事だと思っていたからです。そして、就職活動のとき、銀行のリテールビジネスの醍醐味を知って、ここで働きたいと思いました。それはリテール営業なら、平田さんだからやるよ、平田さんだから良かった、と言われる仕事、つまり自分を看板にできる仕事ができると思ったからです。そして、今、グループ連携が進む中で、SMBCグループでは銀行でも証券でも、今までの枠組みを越えて本当にお客さまのために取り組むことができるようになっています。また、こうして出向することでグループ各社の立場で仕事をできるということは、本当に貴重な経験になると思います。 -
大石:
お客さまが今までの人生で頑張って貯め築き上げてきた資産を、信頼いただいて任せてもらえるというのはすごいことだと自分も思います。私たちがご提案することも、選択肢は何万通り、もっとあるかもしれない。その中から、今まで自分が身につけてきたマーケット感や知識でポートフォリオを組んでいくというのは責任も大きいですし、うまくいったときの嬉しさも大きい。自分のように証券も経験できて、銀行も経験できて、希望すれば他のグループ会社も経験できる。そして、そのグループ会社各社もそれぞれが業界の中でトップレベル。人材も優秀な方が多く、お客さまも日本のトップレベル。これは純粋にすごい環境だと思います。 -
平田:
お客さまのために、それを考えて今まで以上に幅広い観点から価値を提供していく、そのためにも連携を推進していくのは、こうして出向を経験して、違う環境で頑張っている私たちだと思いますので、お互いにこれからも頑張りましょう。 -
大石:
そうですね。今日はありがとうございました。 -
平田:
こちらこそです。
※掲載の仕事内容、役職、所属は取材当時のものです。